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躱
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か
ふりがな文庫
“
躱
(
か
)” の例文
幹太郎は川岸のほうへ大きく跳び、二度、三度と突っかけて来る安の匕首を
躱
(
か
)
わしながら、さっと相手のきき腕を取ると、
足搦
(
あしがら
)
みをかけて投げとばした。
花も刀も
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
汽車の
轟
(
とどろ
)
きの下にも埋れず、何等か妨げ遮るものがあれば、音となく響きとなく、
飜然
(
ひらり
)
と軽く体を
躱
(
か
)
わす、形のない、思いのままに勝手な
音
(
ね
)
の
湧出
(
わきい
)
ずる、空を
舞繞
(
まいめぐ
)
る鼓に翼あるものらしい
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
直二郎はひらりと体を
躱
(
か
)
わし、築山の裏側へどんどん逃げだした。老人は追っかけた。
明暗嫁問答
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
僥倖
(
さいわい
)
そこでも
乗客
(
のりて
)
が込んだ、人蔭になって、
眩
(
まばゆ
)
い大目玉の光から、顔を
躱
(
か
)
わして
免
(
まぬか
)
れていたは可いが、さて、神楽坂で下りて、見附の橋を、今夜に限って、高い処のように、危っかしく渡ると
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しかし極めて
僅
(
わず
)
かなところで刃は、
躱
(
か
)
わされた。そして通胤が、右へひらきながら抜き打ちに浴びせた一刀は、逆に男の背筋をしたたかに
斬
(
き
)
り放し、かえす太刀で
太腿
(
ふともも
)
を
薙
(
な
)
いでいた。
城を守る者
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
伊兵衛は体を
躱
(
か
)
わすとでもいうようにつと起った。それに続くべきさえの言葉の重大さが、光のように彼の感情へ反射したからである。縋りつくようなさえの眼から外向きながら、彼はもういちど
彩虹
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
躱
漢検1級
部首:⾝
13画
“躱”を含む語句
精神的躱避
身躱
躱身