身化粧みじまい)” の例文
そのまま床の前の緞子どんすの座布団にドッカと腰を下して、腕を組んでいると今度は、美しく身化粧みじまいした高島田の娘が、銚子ちょうしを捧げて這入はいって来た。
斬られたさに (新字新仮名) / 夢野久作(著)
それでも何よ、まだか、まだか、と立って見たり坐って見たり、何にも手につかないで、御覧なさい、身化粧みじまいをしたまんま、鏡台を始末する方角もないじゃありませんか。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
わたくしがお風呂を頂いて、身化粧みじまいをして、奥へまいりますと、奥様は御縁のはなに出て、虫の声でも聞いていらっしゃるかのように、じっと首をかしげていらっしゃいました。
三浦老人昔話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
婆「今お湯から帰って、ちょいと二階で身化粧みじまいをして居ますよ」
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)