身体付からだつき)” の例文
旧字:身體付
あるひはり返るほどうしろに振向きたる若衆の顔を描き、半分しか見えざるあだ身体付からだつきによりてたくみに余情を紙外にあふれしめたり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
それこれと当時の事を思い出すにつけて兼太郎は娘のお照が顔立は母に似ているが身体付からだつきは自分に似たものかそれほどデクデクもしていないのを見ると共に
雪解 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
肩のいかった身体付からだつきのがっしりした女であるが、長年新富町しんとみちょうの何とやらいう待合まちあいの女中をしていたとかいうので襟付えりつき紡績縞ぼうせきじま双子ふたこ鯉口半纏こいぐちはんてんを重ねた襟元に新しい沢瀉屋おもだかや手拭てぬぐいを掛け
雪解 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
然るに春章の錦絵にしきえに至りては、例へば四世団十郎(五粒)三世団蔵(市紅)元祖歌右衛門うたえもん(歌七)元祖中村仲蔵なかぞう(秀鶴)等の如き、その容貌ようぼうの特徴往々にして身体付からだつきの癖をも交へたれば
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
小半はいかにも血色のよい大柄ながっしりした身体付からだつき
雨瀟瀟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)