赭顏あからがほ)” の例文
新字:赭顔
雪白の髮、しつかりとしたやさしい赭顏あからがほ、陽氣な哄笑、それに彼の黒衣と鍔廣つばびろの帽子とが、まるで彼を牧師さんのやうに見せたからである。
水車のある教会 (旧字旧仮名) / オー・ヘンリー(著)
勿體もつたいない/\。」と、道臣も菊石あばたのある赭顏あからがほを酒にほてらしつゝ、兩手に櫻と桃とをかざした喜びの色をみなぎらした。
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
『フン、また芝居だろ。』とお大は赭顏あからがほに血走つたやうな目容めつきをして、『い年をして好い氣だね。』
絶望 (旧字旧仮名) / 徳田秋声(著)
村人どもが高を括つてひそかに舌を吐いてゐる最中に、僅か昨日立つて京都へ行つたばかりの太政官は、もう今日の夕方、紫縮緬の大きな袱紗に包んだ貴い揮毫を捧げつゝ、大きな赭顏あからがほ
太政官 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)