賜餐しさん)” の例文
かつ、朝廷の賜餐しさんには馴れ、街の銀盤ぎんばん玉杯ぎょくはいにも飽いているから、どんな歓待とて、彼の舌や眼を驚かすには足らない。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それからは賜餐しさんうたげが張られるのである。持ち物を始末して叔母といっしょに席を出た。はぎのお廊下は往来する人で混雑し、中ノ口へ出るまでは叔母とはぐれそうになったこともある。
合歓木の蔭 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
翌四十五年の一月五日の新年宴会に賜餐しさんがありました。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
別間のほうに饗応のしたくをして待っていた将軍家の側近たちが、追いすがるようにして、せっかくの賜餐しさんをすすめると、光圀はいんぎんに恩を謝して
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
言ってみるなれば、賜餐しさんの感は、そうした文化の日らしいおくつろぎに陪させていただいたことが、何よりもありがたくまた何よりなご馳走であった。(三五・一一・一一)
随筆 私本太平記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
奏楽がおこり、奉幣ほうへいの式があって、やがて、幄舎あくしゃのうちの、賜餐しさんとなる。