買取かいと)” の例文
泯汰脳ミンダネオ土蛮どばんが船に積んで、売りに参つた日本人を、三年さき買取かいとつて、現に下僕かぼくとして使ひまする。
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
多くの巴里人のならわし通りこの男も老後を七、八十巴里から離れた田舎いなか恰好かっこうな家を見付けて買取かいとり、コックに一人の女中ぐらい置いて夫婦の後年を閑居かんきょしようという人達だ。
巴里の秋 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「ええかね。なるたけ凄いやつを買取かいとるんじゃ。世界一のやつでなけりゃいかんぞ」
それを博士が三月前に安く買取かいとって移ったのです
幽霊屋敷の殺人 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)