貯水池ちょすいち)” の例文
ぼけまなこに得物えものをとったさむらい山掘夫やまほりどもは、稀有けうの大鷲が少年をくわえていあがったと聞き、興味半分きょうみはんぶんにワラワラと貯水池ちょすいちのほうへけてきた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と見ると、その朝にかぎって、扇形おうぎなり貯水池ちょすいちには小さなハヤや大きな山女やまめが、白いはらかせて死んでいるのだ。あの強そうな赤い山蟹やまがにまで、へろへろして水ぎわに弱っていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かねて今宵こよいのことをもくろんでいる裏切うらぎり者は、夕方の炊事かしぎどきを見はからって、とりで用水ようすい——山からひく掛樋かけひ泉水せんすい井戸いど、そのほかの貯水池ちょすいちへ、酔魚草すいぎょそう、とりかぶとなどという
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)