貫一かんいつ)” の例文
「それはさうだけれど、どうも貫一かんいつさんの事が気になつて。御父おとつさんはもう貫一さんに話をすつたらうか、ねえ御母おつかさん」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「荒尾さん、それでは、とてもお聴入ききいれはあるまいと私はあきらめましたから、貫一かんいつさんへお詑の事はもう申しますまい、又貴方に容して戴く事も願ひますまい」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
貫一かんいつさん」とひ寄らんとするを、薄色魚子うすいろななこの羽織着て、夜会結やかいむすびたる後姿うしろすがたの女はをどかかつて引据ひきすうれば
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)