かね)” の例文
お前は自身に供給するに足るほどのかねがあつたら、その上に望む必要は無いと言ふのぢやな、それが学者の考量かんがへじやと謂ふんじやが。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
かねがあるにまかせて、随分思い切った振舞をするので、その度に世間の人たちから
艸木虫魚 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)
い出世をして、さぞ栄耀えようも出来て、お前はそれで可からうけれど、かねに見換へられて棄てられた僕の身になつて見るが可い。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
けれども善く宮さん考へて御覧、ねえ、人間の幸福ばかりは決してかねで買へるものぢやないよ。幸福と財とは全く別物だよ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)