豊島としま)” の例文
旧字:豐島
はるか西方に豊島としまヶ岡や飯倉いいぐらの丘陵(後の芝公園附近の高台)が半島のような影をいて望まれ、その方角に、富士の噴煙が、あざらかに眺められた。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
北見菊雄きたみきくお君は、小学校の四年生でした。おうちは東京の豊島としま区にあるのですが、近くに小さい公園があり、北見君は、友だちといっしょに、その公園で、よく野球などして遊ぶのでした。
鉄人Q (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
十万余騎を三手に分けて三方より同じくときを作る、入道恵性えしよう驚きて周章あわて騒ぐ処へ、三浦兵六力を得て、江戸、豊島としま葛西かさい、川越、坂東ばんどうの八平氏、武蔵の七党を七手になし、蜘手くもで輪違わちがひ
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
豊島としまのや千本ちもとのいてふ落葉する夕日の森に御供みともするかな
大塚楠緒子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
「実は豊島としまおかまでまいりたいのです」
するとその夜早や、足立あだち豊島としま葛飾かつしかなどの近郡から
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)