豆煎まめいり)” の例文
日本一のお嬢さんを妾なんぞにしやあがって、冥利みょうりを知れやい。べらぼうめ、菱餅ひしもち豆煎まめいりにゃかかっても、上段のお雛様は、気の利いた鼠なら遠慮をしてめねえぜ、盗賊ぬすっとア、盗賊ア、盗賊ア
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私は気が付くと、その、——後で妹の話を聞いて慄然ぞっとして飛んで出たが、猫行火ねこあんか噛着かじりついていて、豆煎まめいりを頬張ったが、余り腹が空いて口が乾いて咽喉のどへ通らないから、番茶をかけて掻込かっこんだって。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)