謀判ぼうはん)” の例文
それから燭臺の下に紙の燃えた灰のあつたのは、爲三郎が肌身につけてゐる、お夏の繪姿だよ、謀判ぼうはんで縛られさうになつてゐるし、借金で首は廻らない。
あまつさ謀判ぼうはんの罪を犯したことが明白になり、身柄みがらを吉長に下げ渡されて即時に首をねられた。
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
惡い人間に引つ掛つて謀判ぼうはんの罪に落されさうになり、身上しんしやうを投げ出した上娘のお歌まで佐野喜に賣つて、やうやく遠島はまぬかれましたが、その後お歌の歌川が病氣になり
それから一年過ぎ、私は惡い客に騙されて、危ふく謀判ぼうはんの一味に引摺り込まれるところを、大金を出して救つて下すつたのも孫右衞門旦那で、お蔭で私は首がつながりました。
植木屋幸右衛門はもと鳥越とりごえで大きく暮していたが、悪い人間に引っ掛って謀判ぼうはんの罪に落されそうになり、身上しんしょうを投げ出した上娘のお歌まで佐野喜に売って、ようやく遠島はまぬかれましたが
「その他にもう一つ。殺された爲三郎はあの御面相で恐しく道樂強く、借金だらけで首も廻らなくなり、謀判ぼうはん(詐欺)かなんかに掛り合つて、この家を追ん出されさうになつてゐたさうですよ」