よし)” の例文
よし、その厳罰をこうむりましょう、断じて自分はこの革鞄を開いて片袖は返さぬのである。ただ、天地神明に誓うのは、貴女きじょの淑徳と貞潔である。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と云って、妻は硝子がらすの大きなはちを持て来た。硝子は電気を絶縁する、雷よけのまじないにかぶれと謂うのだ。よしと受取って、いきなり頭にかぶった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
結婚の媒妁なかだちを頼まれた。式は宜い様にやってくれとの事である。新郎しんろうとは昨今の知合で、新婦は初めて名を聞いた。媒妁なンか経験もなし、断ったが、是非とのたのみ、よしと面白半分引受けてしもうた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)