調法ちょうほう)” の例文
「君のところへ来るのは一挙両得だね。必ず誰か仲間のものに会えるから、友達に御無沙汰ということがなくなる。調法ちょうほうで好いよ」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
そして、こんな調法ちょうほうないいちゃわんを使つかったことはない。それで、だれがこのちゃわんをつくったかおまえがっていたなら、ききたいとおもったのだ。
殿さまの茶わん (新字新仮名) / 小川未明(著)
それはうでぷしが強くて、さながら町の英雄でした。町の英雄というのはどこにでもあり、どこででも調法ちょうほうがられました。
家康は、この好人物の、調法ちょうほうなことを知っている。この人を、自家薬籠中やくろうちゅうのものにして、秀吉に当らせたり、世上へ見せる偶像として、利用した覚えがあるからである。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
家郷病ホームシックは悲しいものだ。昨夜は種々の事を思出して半時間ばかり寝つかれなかった。お島の事を考えたら、不図ふとお島の従兄いとこだというの藪睨みの顔が目の前に浮んだ。藪睨みなんて、調法ちょうほうなものだ。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「此奴は調法ちょうほうだ。他人ひとの揚げた芸者で用が足りる」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)