“薬籠中”の読み方と例文
読み方割合
やくろうちゅう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この一箇名門の脆弱児ぜいじゃくじを、自己の薬籠中やくろうちゅうにして、完全に利用しきろうとする底意には、何らの矛盾むじゅんも良心のまどいも覚えはしない。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
破邪顕正の大役承わる大目付までをもおのが薬籠中やくろうちゅうのものにしているとしたら、ゆめ油断はならぬ。
必ずしも敵国人がここへ入り込んでいなくても、その手先を勤める黄色人種がいないとは云えぬし、日本人にしても情を知らずして敵の薬籠中やくろうちゅうのものとなっている者がないとは限りません。
偉大なる夢 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)