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薬籠中
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やくろうちゅう
ふりがな文庫
“
薬籠中
(
やくろうちゅう
)” の例文
この一箇名門の
脆弱児
(
ぜいじゃくじ
)
を、自己の
薬籠中
(
やくろうちゅう
)
にして、完全に利用しきろうとする底意には、何らの
矛盾
(
むじゅん
)
も良心のまどいも覚えはしない。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
破邪顕正の大役承わる大目付までをもおのが
薬籠中
(
やくろうちゅう
)
のものにしているとしたら、ゆめ油断はならぬ。
旗本退屈男:11 第十一話 千代田城へ乗り込んだ退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
必ずしも敵国人がここへ入り込んでいなくても、その手先を勤める黄色人種がいないとは云えぬし、日本人にしても情を知らずして敵の
薬籠中
(
やくろうちゅう
)
のものとなっている者がないとは限りません。
偉大なる夢
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
たちまち鉛華をおのれたちの
薬籠中
(
やくろうちゅう
)
のものとしてしまったからである。
共軛回転弾:――金博士シリーズ・11――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
かかるうち知識は交換されて互いの
薬籠中
(
やくろうちゅう
)
に収められていた。
食魔
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
この者どもはもう完全に寝返って、龐統の
薬籠中
(
やくろうちゅう
)
のものになっているらしい。
岩乗絶壁
(
がんじょうぜっぺき
)
のような鉄門の下に立ってこう呶鳴った。
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼等は今やわが幹部政治家をほぼ
薬籠中
(
やくろうちゅう
)
のものとすることに成功しそうです。そして今わが国民をも彼等の思う色彩に塗りかえ、あらゆる進取的精神を
麻痺
(
まひ
)
させるためにその用意に掛っています。
宇宙尖兵
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
おひとよしでどうにでもうごく権大納言ノ局は当然、廉子の
薬籠中
(
やくろうちゅう
)
のものであり、小宰相はいつも二人の白眼視とトゲのうちにおかれていた。
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そしてただこの一怪物を、将来の用のため、自家の
薬籠中
(
やくろうちゅう
)
のものにしなければと、ひそかに誓っていただけだった。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
とすると、彼もまた、秀吉の
薬籠中
(
やくろうちゅう
)
の一個でしかなかったとも
観
(
み
)
られるが、長い史眼をもってすれば、豊臣氏の滅亡後も、前田氏はなお長く北国の雄たるを保った。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
家康は、この好人物の、
調法
(
ちょうほう
)
なことを知っている。この人を、自家
薬籠中
(
やくろうちゅう
)
のものにして、秀吉に当らせたり、世上へ見せる偶像として、利用した覚えがあるからである。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
矢田川原の会見以来、かれはすっかり秀吉の
薬籠中
(
やくろうちゅう
)
の物となりきってしまい、何をするにも
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
羽柴藤吉郎をまずこちらの
薬籠中
(
やくろうちゅう
)
のものとしてから信長に会うも遅くはない
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“彼はすでに秀吉の
薬籠中
(
やくろうちゅう
)
のものたるのみ”
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
薬
常用漢字
小3
部首:⾋
16画
籠
常用漢字
中学
部首:⽵
22画
中
常用漢字
小1
部首:⼁
4画
“薬籠”で始まる語句
薬籠
薬籠持