試煉しれん)” の例文
妻が救いの天使であることがわからないんだ。いっしょにこの世の烈しい試煉しれんをうけて、はじめてそれがわかるんだよ
(新字新仮名) / ワシントン・アーヴィング(著)
“孫永才よ、子供達よ、大きくなれ、偉くなってくれ……祖国よ、お前も激しい試煉しれんを超えて益々ますます偉大になってくれ”
雲南守備兵 (新字新仮名) / 木村荘十(著)
はじめて落着く場所にかえったような安らかさと、これから始ろうとする試煉しれんにうちとうとする初々ういういしさが、せた妻の身振りのなかにぱっと呼吸いきづいていた。
秋日記 (新字新仮名) / 原民喜(著)
これを思いわずらって暫くは途方に暮れましたが、しかし彼女の鞏固きょうこな意力は遂にこの試煉しれんにも耐えて、その大きな悲しみをも見事に克服してしまったのでした。
キュリー夫人 (新字新仮名) / 石原純(著)
卑怯、不信実! 不信実、卑怯! わがこの唇から、「その人を知らず」との言葉が出でたとは! 勇敢率直の「生まれつき」など、人生の大なる試煉しれんの前には何の力もない。
こんな試煉しれんは、求めて得られるものではない。そも、いかなる思し召があって、天はかかる百難また百難をこの身に与えて下されつつあるのかを、ひとり考えることもあった。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私は夫があまり私の貞操を信じ過ぎないようにしてくれることを望む。私は夫の註文に応ずるためにギリギリの瀬戸際せとぎわまで試煉しれんに堪えて来たけれども、これからは自信が持てなくなっている。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
試煉しれん
パンドラの匣 (新字新仮名) / 太宰治(著)
試煉しれん出遭であっているのであった。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)