許田きょでん)” の例文
「そうだ。ここ久しく戦に忙しく、狩猟に出たこともない。天子を許田きょでんかりに請じて、ひとつ諸人の向背こうはいを試してみよう」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
許田きょでんに鹿を射る事——誰か朝廷の臣として、切歯せっししない者がありましょう。曹操が逆意は、すでに、歴々といえまする。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かくて御料の猟場かりばに着くと、許田きょでん二百余里(支那里)のあいだを、十万の勢子せこでかこみ、天子は、彫弓ちょうきゅう金鈚箭きんひせんを御手に、駒を野に立てられ、玄徳をかえりみてのたもうた。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「むかし許田きょでん御狩みかりに会し、それがしが曹操を刺し殺そうとしたのを、あの時、あなた様がってお止めにならなければ、今日、こんな難儀にはお会いなさるまいものを」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)