“きょでん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
虚伝71.4%
許田28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
摂津せっつの荒木どのと組して、当城もまた織田家にそむき、毛利方へ随身せりとの噂が立っておりまする。右は、事実でしょうか、単なる虚伝きょでんにございましょうか」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「さ。それが真実か虚伝きょでんかは、まだまだ深いなぞでござるぞ。いかにも、この果心居士かしんこじが知るところでも、呂宋兵衛るそんべえの手にとらえられた僧形そうぎょう貴人きじんは、勝頼公かつよりこうによう似ておった」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そうだ。ここ久しく戦に忙しく、狩猟に出たこともない。天子を許田きょでんかりに請じて、ひとつ諸人の向背こうはいを試してみよう」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
許田きょでんに鹿を射る事——誰か朝廷の臣として、切歯せっししない者がありましょう。曹操が逆意は、すでに、歴々といえまする。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かくて御料の猟場かりばに着くと、許田きょでん二百余里(支那里)のあいだを、十万の勢子せこでかこみ、天子は、彫弓ちょうきゅう金鈚箭きんひせんを御手に、駒を野に立てられ、玄徳をかえりみてのたもうた。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「むかし許田きょでん御狩みかりに会し、それがしが曹操を刺し殺そうとしたのを、あの時、あなた様がってお止めにならなければ、今日、こんな難儀にはお会いなさるまいものを」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)