たゞ)” の例文
どうしても云はなけれや、あたしは、お前をかへす前に、旦那様と、是守とに、事実をたゞしてみるから……。
秘密の代償 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
尤もこれは一つには、何故なぜかこの上問ひたゞすのが惡いやうな、氣咎めが致したからでもございます。——
地獄変 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「私達の兄弟は、今ではこの国旗のために戦つてゐるのぢやありませんか、それも原因もとはとたゞせば、お前さんの国が火元なんぢやありませんか。それに、それに……」
猶お御老中方に長二郎を初め其の関係かゝりあいの者の身分行状、並に此の事件の手続等をくわしくおたゞしになりましたから、御老中方から明細に言上ごんじょういたされました処、成程半右衞門はんえもん妻柳なる者は
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
これも伍助に問ひたゞしましたが
尤もこれは一つには、何故かこの上問ひたゞすのが悪いやうな、気咎めが致したからでもございます。——
地獄変 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
婦人記者は美しい声で、この文人がボストンに来た用向きから、その最近の作物さくぶつ生活方くらしかた迄こまめにたゞした。リレエは丁寧に一々それに返辞をした。すると、最後に婦人記者は訊いた。