“角櫓”の読み方と例文
読み方割合
すみやぐら100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ウィリアムも人に劣らじと出陣の用意はするが、時には殺伐な物音に耳をふさいで、高き角櫓すみやぐらのぼってはるかに夜鴉の城の方を眺める事がある。
幻影の盾 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
遠くにはお城の角櫓すみやぐらが見え、その向こうには大内山おおうちやまの木立ちが地平線を柔らかにぼかしている。左のほうには小豆色あずきいろの東京駅が横たわり、そのはずれに黄金色こがねいろの富士が見える。
Liber Studiorum (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
鼎形かなへがたの瓶かけに銀瓶ぎんぺいの湯のたぎる音を聽きつゝ、前面の淀川からお城の角櫓すみやぐらの白壁までを見渡したガラス障子越しの眺めに感心して、道臣は直ぐ自分の家にもガラス障子をめたのである。
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)