見済みすま)” の例文
旧字:見濟
深さは立って乳の辺まであるから、運動のために、湯の中を泳ぐのはなかなか愉快ゆかいだ。おれは人の居ないのを見済みすましては十五畳の湯壺を泳ぎまわって喜んでいた。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
とうっかり水を見る油断を見済みすまし、うしろから丈助が勇助の腰をドント打って川の中へ突落つきおとす。勇助は
陰士はしばらく椽側えんがわに立ったまま室内の動静をうかがっていたが、主人夫婦の熟睡しているのを見済みすましてまた片足を畳の上に入れる。今度は寒月だと云う声も聞えぬ。やがて残る片足も踏み込む。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
渡邊も答礼して行過ゆきすぎるを見済みすまして
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)