見倣みな)” の例文
自分は当時の世間よのなかに事実全身に刺青ほりものをなし万引まんびきをして歩いたやうな毒婦が幾人いくたりあつたにしても、其れをば矢張やはり一種の芸術的現象と見倣みなしてしまふ。
虫干 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
三条七坊をすっかり占めた大屋敷を、一垣内ひとかきつ——一字ひとあざな見倣みなして、横佩よこはき墻内かきつと言う者が、著しく殖えて来たのである。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
しかしこのことは推薦状だと小生は見倣みなしました。彼はかの不朽の名声あるホーク(註三一)の下で国家の為に働いてその片脚をなくしたのだからです。