袖几帳そでぎちょう)” の例文
虹を刻んで咲かせた色の、高きこずえのもみじの葉の、裏なきにしきとばりはあれど、おおわれ果てず夕舂日ゆうづくひ、光さっしたれば、お夏はかざした袖几帳そでぎちょう
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
姫百合、白百合こそなつかしけれ、鬼と呼ぶさえ、分けてこのすさまじきを、雄々しきは打笑い、さらぬは袖几帳そでぎちょうしたまうらむ。富山の町の花売は、山賤やまがつたぐいにあらず、あわれに美しき女なり。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)