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衰頽
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おとろへ
ふりがな文庫
“
衰頽
(
おとろへ
)” の例文
大人びた風の校長は、まだ筋骨の
衰頽
(
おとろへ
)
を感ずる程の年頃でも無いが、妙に遊戯の嫌ひな人で、殊に若いものゝ好な庭球などゝ来ては、昔の東洋風の
軽蔑
(
けいべつ
)
を起すのが癖。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
何もかも——
錆
(
さび
)
を帯びた
金色
(
こんじき
)
の仏壇、生気の無い
蓮
(
はす
)
の
造花
(
つくりばな
)
、人の空想を誘ふやうな
天界
(
てんがい
)
の
女人
(
によにん
)
の壁に
画
(
か
)
かれた
形像
(
かたち
)
、すべてそれらのものは
過去
(
すぎさ
)
つた時代の
光華
(
ひかり
)
と
衰頽
(
おとろへ
)
とを語るのであつた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
『懴悔録』を抱いて——買つて反つて丑松は気の
衰頽
(
おとろへ
)
を感じ乍ら、下宿をさして帰つて行くと、
不図
(
ふと
)
、途中で学校の仲間に
出逢
(
であ
)
つた。一人は土屋銀之助と言つて、師範校時代からの同窓の友。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
“衰頽”の意味
《名詞》
衰 頽(すいたい)
衰えて弱ること。すたれること。
(出典:Wiktionary)
衰
常用漢字
中学
部首:⾐
10画
頽
漢検1級
部首:⾴
16画
“衰”で始まる語句
衰
衰弱
衰微
衰兆
衰残
衰勢
衰褪
衰亡
衰運
衰容