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螽斯
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ばった
ふりがな文庫
“
螽斯
(
ばった
)” の例文
といった
次第
(
わけ
)
で、雪の神様が、黒雲の中を、
大
(
おおき
)
な袖を開いて、虚空を
飛行
(
ひぎょう
)
なさる姿が、遠くのその日向の路に、
螽斯
(
ばった
)
ほどの小さな旅のものに、ありありと拝まれます。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「おい、若いの。
先刻
(
さっき
)
からいやに黙ってるじゃねえか。……
乙に澄ますねえ
(
フェ・パ・マラン・トア
)
、やい!」と、いきなり
扉
(
ドア
)
越しにコン吉の脇腹を
小突
(
こづ
)
いた。コン吉は
螽斯
(
ばった
)
のように飛びあがって
ノンシャラン道中記:02 合乗り乳母車 ――仏蘭西縦断の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
胆を潰した賓客達は、廊下へ向けて開けられてある——真鍮の格子で
鎧
(
よろ
)
われた横方形の窓口へ、
螽斯
(
ばった
)
のように飛んで行って、声の主を見ようとした。しかし姿は見えなかった。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
螽斯
(
ばった
)
のようになった手を
蒲団
(
ふとん
)
の外になげだすようにして寝ているのが垣の間から見える。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
一旦くっついた支那船は綱に引かれて容易のことでは汽船の腹から離れようとしない。そこで縄梯子を引っかける。それを伝たわって
甲板
(
かんぱん
)
の上へ
螽斯
(
ばった
)
のように躍り込む。拳銃を五、六発ぶっ放す。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
“螽斯”の意味
《名詞》
螽斯(しゅうし)
きりぎりすの漢名。
(詩経螽斯篇より)子孫が繁栄すること。
皇后・中宮の唐名。
(出典:Wiktionary)
“螽斯(キリギリス)”の解説
キリギリス(螽蟖、螽斯、蛬)とは、バッタ目キリギリス科キリギリス属に分類される昆虫のうち、日本の本州から九州地方に分布する種群すなわち、ヒガシキリギリスとニシキリギリスの総称。あるいはそれらを同一種と見なし、亜種や型を認めない場合の標準和名である。
(出典:Wikipedia)
螽
漢検1級
部首:⾍
17画
斯
漢検準1級
部首:⽄
12画
“螽”で始まる語句
螽
螽蟖
螽捕
螽花