蝋燭火ろうそくび)” の例文
……せんに案内をした時に、彼これ日が暮れたで、取りあえともして置いたもんだね。そのお前様めえさま蝋燭火ろうそくびわきに、首いかしげて、腕組みして坐ってござるで、気になるだ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
悪く抜衣紋ぬきえもんで、胸を折って、横坐りに、蝋燭火ろうそくび紙火屋かみぼやのかかったあかりの向うへ、ぬいと半身で出た工合が、見越入道みこしにゅうどう御館おやかたへ、目見得めみえの雪女郎を連れて出た、ばけの慶庵と言うていだ。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)