藐姑射はこや)” の例文
古くさい書物だなから、唐守からもり藐姑射はこや刀自とじ赫耶姫かぐやひめ物語などを絵に描いた物を引き出して退屈しのぎにしていた。
源氏物語:15 蓬生 (新字新仮名) / 紫式部(著)
別号は蘭軒を除く外、蕳斎かんさいと云ひ、都梁と云ひ、笑僊せうせんと云ひ、又藐姑射はこや山人と云つた。蕳一に葌に作つてある。詩集の名の如きが即是である。又葌斎の篆印てんいんもある。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
二五近衛院このゑのゐんゆづりましても、二六藐姑射はこややまたまはやしめさせ給ふを、思ひきや、二七麋鹿びろくのかよふ跡のみ見えて、まうでつかふる人もなき深山みやま二八おどろの下に神がくれ給はんとは。
『ひんがしの國に我をれば朝日さす藐姑射はこやの山のかげとなりにき』
愛国百人一首評釈 (旧字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)