藍本らんぽん)” の例文
が、この同じ物語を延長した後談が紅葉の『金色夜叉こんじきやしゃ』の藍本らんぽんであるという説は知らないものがないほど広がってるが実は誣妄ふぼうである。
作者はくうりて想ひ得しなるべく、又まことに空に憑りて想ひ得たりとせんかた、藍本らんぽんありとせんよりめでたからん。
月君が建文帝けんぶんていの為に兵を挙ぐるの事は、姑摩媛が南朝の為に力を致さんとするの藍本らんぽんたらずんばあらず。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)