薪雑棒まきざっぽう)” の例文
旧字:薪雜棒
虫も蛙となり、蛇となって、九ツ十ウに及ぶ頃は、薪雑棒まきざっぽうで猫をって殺すようになった。あのね、ぶんなぐるとね、飛着くよ。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かっとした勘次が薪雑棒まきざっぽうを引っ掴んで飛び出そうとすると、藤吉はそれを押し止めて、起きてゆっくり帯を締め直した。
長崎屋の井戸の中へよごれものを打ち込んだり、主人の七郎兵衛が夜道を歩いて居ると、薪雑棒まきざっぽうでどやし付けたり、火をつけられた数だけでも、三度。
薪雑棒まきざっぽうでも放るように銃を投げだした。
ノア (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
夜鷹よたかなんか拾って来やがると、勘弁しねえよ。薪雑棒まきざっぽうむこずねをかっ払って、西の海へ叩き込んでやるから」
いや、困った親仁おやじが、一人でない、薪雑棒まきざっぽう棒千切ぼうちぎれで、二人ばかり、若いものを連れていた。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ちょッ! あの服装はなんでえ! 覲番侍きんばんものが吉原の昼火事に駈けつけるんじゃアあるめえし、大概てえげえにしゃアがれッ!……といいてえところだが、待てよ! これだけの薪雑棒まきざっぽうに取り囲まれていけあ
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)