草堤くさどて)” の例文
ふともみはかまのように見えたのも稀有けうであった、が、その下ななめに、草堤くさどてを、田螺たにしが二つ並んで、日中ひなかあぜうつりをしているような人影を見おろすと
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それから二日ほど過ぎて、安蔵の死体は川しもで発見された。かれが片手に釣り竿を持っていたのを見ると、なにかの過失あやまちで足を踏みすべらせて、草堤くさどてから転げ落ちたのであろう。
半七捕物帳:51 大森の鶏 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)