草々くさぐさ)” の例文
猶も確めん為め女、男に草々くさぐさの課役をかける。剣の力、槍の力で遂ぐべき程の事柄であるは言うまでもない
幻影の盾 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
だが草々くさぐさの身仕度はこれでしまいなのではない。最後に珍らしい二つのものを身につける。一つはあの浦島太郎がつけているような総々ふさふさとした腰蓑こしみの(まえあて)である。
陸中雑記 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
爺さんよ、またえたら逢いたいものだ。そうして次にはもっと技術の工程や、紋様の取り方や、仕事の性質や草々くさぐさのことについて聞かせてほしい。永年の経験は宝なのだ。
思い出す職人 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
その他草々くさぐさのことで、この沖縄ほど古い日本の姿をよくとどめている国はありません。大体鎌倉時代から足利あしかが時代にかけての習俗がそのまま今に伝えられているのであります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)