茶話さわ)” の例文
日常身辺の事一として話の種ならざるはなし。然れども長屋のかか金棒かなぼう引くは聞くにへず識者が茶話さわにはおのづと聞いて身のいましめとなるもの多し。
小説作法 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
高尚こうしょう遠大えんだいにして、通常人の及ばざるところ、たまたま及ぶことあれば、生涯しょうがいに一度か二度あって、専門的に修むる者にあらざれば、単に茶話さわかて
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
... 私は一場いちじょう茶話さわだと思っていましたが上等のアイスクリームは全く紙へ包めるものでしょうか」お登和嬢
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
だからこのような地方語の穿鑿せんさくは、通例は物好きの一茶話さわに過ぎぬのである。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
しかるにこの事たる、事態は茶話さわの話題にもならぬくらいなるが、僕にとっては人情のまことに柔かきところと深きところとをうかがわしめて、感謝と喜びの念を深からしむることが少なくないのである。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)