茅萱かや)” の例文
ブーンとあぶが耳元をかすめて飛ぶのも快よいひびきに聞えた。夏蝶のひらひらと茅萱かやの上を飛んでいるのも涼しげな趣きに見えた。
別府温泉 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
築山陰つきやまかげ野路のぢを写せるこみちを行けば、蹈処無ふみどころなく地をくずの乱れひて、草藤くさふぢ金線草みづひき紫茉莉おしろいの色々、茅萱かや穂薄ほすすき露滋つゆしげ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
あごで、指したあたりに、茅萱かや小径こみちの方へ、枯れながらなびいていた。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)