若僧じゃくそう)” の例文
この矮小わいしょう若僧じゃくそうは、まだ出家をしない前、ただの俗人としてここへ修業に来た時、七日の間結跏けっかしたぎり少しも動かなかったのである。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
まことに恋の娘が尼にまでなったのも無理がない、実に何ともその若僧じゃくそうが言いようもない程の美男なのです。
こぶしをあげて一にん天窓あたまをうたんとせしに、一幅ひとはばの青き光さっと窓を射て、水晶の念珠瞳をかすめ、ハッシと胸をうちたるに、ひるみてうずくまる時、若僧じゃくそう円柱をいざり出でつつ、つい居て
竜潭譚 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
華厳けごんを研究して、叡山の若僧じゃくそうのうちでは、並ぶ者がないよしを噂に聞いたが」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)