かり)” の例文
なお、人麿の覉旅歌には、「飼飯けひの海のにはよくあらしかりごものみだれいづ見ゆ海人あまの釣船」(巻三・二五六)というのもあり、棄てがたいものである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
夕方えん籐椅子とういすに腰かけて、静に夕景色を味う。かりあと青い芝生も、庭中の花と云う花もかげに入り、月下香の香が高く一庭にくんずる。金の鎌の様な月が、時々雲に入ったり出たり。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)