舅御しゅうとご)” の例文
「知らないでどうしましょう。あなた様は、わたくしの亡父ちちにはお舅御しゅうとごに当られるお方でしょう。異母兄あに頼朝の母御には、父にあたるお人でしょう」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
遂げ、稻垣さまのお宅へ参ると間もなく、舅御しゅうとごさまも亦斯ういう非業な死をなさるとは何たる事か、私のような因果なものは世にあるまい何うしたら宜かろう
「あの喰えぬ舅御しゅうとご山城守道三やましろのかみどうさんともある老獪ろうかいなお人まで、くちばしの青い殿に、煙に巻かれたといういわれは——」
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
良「はいお前は孝助殿の舅御しゅうとごかえ、初めまして、孝助殿は器量と云い人柄と云い立派な正しい人じゃ、中々正直な人間で余程怜悧りこうじゃが、お前はそゝっかしそうな人じゃ」
そしてこよいは、嫁方の舅御しゅうとごどのが、その草履の片方ずつを抱いてお寝やるのがいにしえからの仕きたりじゃ。聟どのの足をこうして留めまするという足留めの式でな
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
重「何も恐入ることはない、わしは仕合せだのう、幼年の時継母に育てられても継母が邪慳じゃけんにもしないが、気詰りであったけれど、当家へ養子に来てからは舅御しゅうとごの通りい方で、此の上もない仕合せで」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
光秀には、この老臣の、やさしい舅御しゅうとごにも似ているいたわりがよく分っている。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「さては早、舅御しゅうとごの入道様には、えなき御最期をとげられてか。……尾州表びしゅうおもてへの注進の遅かりしために、信長、ここまで馳せつけながら御最期の一戦に間にあわなかったのは何とも残念至極」
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(一刻もはやく、舅御しゅうとご様の軍勢へ、御加勢のお出ましあるように)
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「使いに待たせて、舅御しゅうとごの陣地まで贈るものだよ」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(月輪の舅御しゅうとご殿にも)と、思った。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)