屋根は崩れ縁は腐ち、狐格子はなかば外れ、枯れ草落ち葉でその屋根も縁も、その本質の解らないまでに蔽われ埋ずめられ隠されていた。
半ば腐ち果てた重病者達のうようよとした病室内の光景が思ひ描かれて、はやその方へ一歩を踏み出した自分を意識しなければならなかつた。
この家と並んで同じような、二軒の廃屋が立っていて、これも雨戸がたててあり、縁など腐ちてその縁の上まで、雑草が延びてかぶさっていた。
あのやうに半ば腐ちかかつた体を、咽喉に穴を穿つてまで生き度いのであらうかと、生の欲望の強さが呪はしくもまた浅ましくも思はれるのだつた。
仔細に眺めたなら、その骸骨の足もとに、鞘の腐ちた両刀が落ちているのを認めることが出来たろう。武士の骸骨である証拠であり、最後に犠牲になった伊丹東十郎の骸骨に相違なかった。
“腐(腐敗)”の解説
腐敗(ふはい)とは、有機物が微生物の作用によって変質(不完全分解コトバンク - 日本大百科全書(ニッポニカ))する現象をいうコトバンク - ブリタニカ。
腐敗には、それにより味の劣化や不快臭、有毒物質が生じる場合(狭義の腐敗)コトバンク - ブリタニカと、有用または無害な場合コトバンク - ブリタニカとがある。また、「精神が堕落し、悪徳がはびこること」コトバンク - デジタル大辞泉を意味することもある。
(出典:Wikipedia)
腐敗には、それにより味の劣化や不快臭、有毒物質が生じる場合(狭義の腐敗)コトバンク - ブリタニカと、有用または無害な場合コトバンク - ブリタニカとがある。また、「精神が堕落し、悪徳がはびこること」コトバンク - デジタル大辞泉を意味することもある。
(出典:Wikipedia)