肺病はいびょう)” の例文
あれもきっと肺病はいびょうだなと思われるあおい顔の人などを見たりして、そぞろに心寂しく、家を出た時の元気は手を返すように消え失せた。
廃める (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
ところが、長子ちょうしのセルゲイは丁度ちょうど大学だいがくの四年級ねんきゅうになってから、急性きゅうせい肺病はいびょうかか死亡しぼうしてしまう。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
高等科へもすすめず、よめにもらわれることを将来の目的として女中奉公に出たコトエはどうなったであろうか。彼女は嫁にもらい手がつくまえに、病気になって帰ってきた。肺病はいびょうであった。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
そのほお紅色べにいろや、瘠方やせかたさっするにかれにはもう肺病はいびょう初期しょきざしているのであろう。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)