肥車こやしぐるま)” の例文
肥車こやしぐるまが通う。馬士まごが歌うて荷馬車をいて通る。自転車が鈴をらして行く。稀に玉川行の自動車が通る。年に幾回か人力車が通る。道は面白い。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
何時でしたか、雨の降る中を貴宅からの帰りに、此の田圃で、若い娘さんの簑笠で、肥車こやしぐるまを押して来るのに逢ひましたが、其の簑の濡れた姿が如何にも可かつた。
大野人 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
庇髪ひさしってリボンをかけて着物をえた所は、争われぬ都の娘であったが、それでも平生ふだんは平気に村の娘同様の仕事をして、路の悪い時は肥車こやしぐるま後押あとおしもし
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)