けだか)” の例文
彼は自分で木の棺を拵らへて、夜はそれを寝床にして寝てゐた。けだかい老翁は聖書を閉ぢて祈祷を始めた……。と、その時、異様な物凄い形相の男が不意に飛びこんで来た。
波蘭人といつしよにクリミヤを攻めた時(まだその頃、俺はあの不信な国民と提携してゐたのだ)ブラツキイ修道院の僧院長イグーメンが(それはお前、けだかい人だつたよ)俺に話したつけ
けだかい隠者はそのやうな人間を見ると、初めは驚愕のあまり後退あとずさりをした。その男は白楊の葉のやうに全身をわなわな顫はせてゐた。不気味な流眄ながしめをしてゐる両の眼からは、物凄い火花が散つた。