うな)” の例文
平助はその後を鍬でうないながら、草木の根を土から選り分けて、それを荒地の片隅へ運んで、小高い塚を築いていった。
土地 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
さての伴藏は今年三十八歳、女房おみねは三十五歳、たがいに貧乏世帯じょたいを張るも萩原新三郎のおかげにて、或時あるときは畑をうない、庭や表のはき掃除などをし
修道女たちは我慢しきれないで、面紗かおぎぬの一端を上げてみた。見ると庭の奥の木立ちの下に、フォーシュルヴァンとも一人、二人の男が並んで地をうなっていた。一大事件だった。
黒いとがった糸杉いとすぎの姿がところどころにそびえていた。その向こうには畑がうちつづいていた。閑寂だった。地をうなってる牛の鳴声や、すきを取ってる百姓のかん高い声が聞こえていた。
帽子もかぶらず、日の照る中で、まだ議論のために激昂げきこうしたまま、疳癪かんしゃくまぎれにうなっていた。クリストフは書物を手にして、青葉だなの下にすわっていた。しかし彼はほとんど読んでいなかった。