群烏むらがらす)” の例文
さても気の長い男め迂濶うかつにもほどのあれと、煙草ばかりいたずらにかしいて、待つには短き日も随分長かりしに、それさえ暮れて群烏むらがらすねぐらに帰るころとなれば
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「こはきことを聞き得たり」ト、数度あまたたび喜び聞え、なほ四方山よもやまの物語に、時刻を移しけるほどに、日も山端やまのはかたぶきて、ねぐらに騒ぐ群烏むらがらすの、声かしましく聞えしかば。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)