繰展くりひろ)” の例文
人工蜃気楼の障壁を這入はいると、其処に、忽然と繰展くりひろげられたのは、言葉通り百花繚乱と咲き乱れた花園のような『日章島』だった。
地図にない島 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
静三の高まってゆく気分を、うまく繰展くりひろげてくれたのは、店から工場の方へ行く道であった。
昔の店 (新字新仮名) / 原民喜(著)
祭を見に来た人達はひなびた絵巻物を繰展くりひろげる様に私の前を通った。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
後で勝家が繰展くりひろげて見るとそこの一章にこういう文があった。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)