練兵場れんぺいば)” の例文
練兵場れんぺいばで新兵が叱られている。身を投げている。人を殺している。藤尾のあにさんと宗近君は叡山えいざんに登っている。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
練兵場れんぺいばの横を通るとき、重い雲が西で切れて、梅雨には珍らしい夕陽せきようが、真赤になって広い原一面を照らしていた。それが向うを行く車の輪にあたって、輪が回る度に鋼鉄はがねの如く光った。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
練兵場れんぺいばで式があるというので、たぬきは生徒を引率して参列しなくてはならない。おれも職員の一人ひとりとしていっしょにくっついて行くんだ。町へ出ると日の丸だらけで、まぼしいくらいである。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)