終始しゅうし)” の例文
かほどに多くの学生から尊敬される先生は、日本の学生に対して終始しゅうしかわらざる興味をいだいて、十八年の長い間哲学の講義を続けている。
ケーベル先生 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
磯五は、終始しゅうし口ひとつきかなかった。平気な顔だ。さっさと実朝の碑のほうへ歩き出していた。そっちを廻わって、門を出てゆこうというのだ。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
仕官を嫌う由縁私の生涯は終始しゅうしかわることなく、少年時代の辛苦、老後の安楽、何も珍らしいことはない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
栗本鋤雲くりもとじょうん翁はみずから旧幕の遺臣いしんを以てり、終始しゅうしその節を変ぜざりし人にして、福沢先生と相識あいしれり。
瘠我慢の説:01 序 (新字新仮名) / 石河幹明(著)