紺青色こんじょういろ)” の例文
その村の板葺いたぶき屋根が、木の間がくれにちらちら光っている、ちょうどそのあたりで、高地の紺青色こんじょういろが、近くの鮮かな緑色にとけこんでいる。
神田川をへだてたむこうが、一ツ橋さまの屋敷で、塀の松の上、紺青色こんじょういろに深みわたった空のなかに、ものの百ばかりも、さまざまな凧が浮かんでいる。
顎十郎捕物帳:07 紙凧 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
これが波かと思う紺青色こんじょういろの大山脈が、海抜五千米突メートルセントエリアス山脈を打ち越す勢いで、青い青い澄み切った空の下をてしもなく重なり合いながら押し寄せて来る。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
赭色たいしゃになりてはすの茎ばかり情のう立てる間に、世を忍びげの白鷺しらさぎがそろりと歩む姿もおかしく、紺青色こんじょういろに暮れて行くそらにようやくひかり出す星を背中にって飛ぶかり
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「あの天井には、太陽光線と同じ光を出す放電管ほうでんかんがとりつけてあるのです。その下に紺青色こんじょういろ硝子ガラス板がはってあります。ですから、ここを歩いていると昔の銀ブラのときと同じ気分がするでしょう」
三十年後の世界 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「あの天井には、太陽光線と同じ光を出す放電管ほうでんかんがとりつけてあるのです。その下に紺青色こんじょういろ硝子ガラス板がはってあります。ですから、ここを歩いていると昔の銀ブラのときと同じ気分がするでしょう」
三十年後の東京 (新字新仮名) / 海野十三(著)