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紆余
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うよ
ふりがな文庫
“
紆余
(
うよ
)” の例文
松岡毅軒は「墓誌ノ銘ナキハ例ヲ
帰震川
(
きしんせん
)
ガ『亡児䎖孫ノ
壙誌
(
こうし
)
』『寒花葬志』ニ取レリ。而シテ文ノ簡浄
紆余
(
うよ
)
ナルコト
殆
(
ほとんど
)
コレニ過グ。」
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
左程
(
さほど
)
にもない距離に思われても、歩いてみると案外、
紆余
(
うよ
)
曲折のあるのが山道の常で、日本左衛門の
飄々乎
(
ひょうひょうこ
)
たる姿を、
沢辺
(
さわべ
)
の向うに見ていながら
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この「
七曲
(
ななまが
)
り」といわれている街道は、昔、敵兵が攻めて来るとき、城の天主閣から、どの道に来てもわかるように、わざと
紆余
(
うよ
)
曲折させたものだという。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
その一筆一声いずれも
直
(
ただち
)
に全体の精神を現わさざるものはなく、また画家や音楽家において一つの感興である者が直に溢れて千変万化の山水となり、
紆余
(
うよ
)
曲折の楽音ともなるのである。
善の研究
(新字新仮名)
/
西田幾多郎
(著)
臨終の
苦悶
(
くもん
)
は
紆余
(
うよ
)
曲折すると言い得る。あるいは行き、あるいはきたり、あるいは墳墓の方へ進み、あるいは生命の方へ戻ってくる。死んでゆくことのうちには暗中模索の動作がある。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
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そこでこれは大変だ、念力には感光作用もあるらしいということになったのだそうである。実際はもっと
紆余
(
うよ
)
曲折はあったのであるが、結局
筋
(
すじ
)
はそういうことらしい。これでは話にもならない。
千里眼その他
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
「冗談じゃない、どこに外力的な原因があるもんか。それに
痙攣
(
けいれん
)
はないし、明白な失神じゃないか」今度は検事がいがみ掛った。「どうも君は、単純なものにも
紆余
(
うよ
)
曲折的な観察をするので困るよ」
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
紆余
(
うよ
)
曲折を経たのち、皇帝紛失の世評を防ぐため、窮余の一策に、本当の皇帝が発見されるそれまで、皇帝の身代りにここへ差し置かれることになったが、ツラツラ事後の事情を思い合わせるところ
魔都
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
今の今まで、君の
紆余
(
うよ
)
曲折的な神経が妨げていたんだぜ
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
紆
漢検1級
部首:⽷
9画
余
常用漢字
小5
部首:⼈
7画
“紆余”で始まる語句
紆余曲折