粥鍋かゆなべ)” の例文
岡浪之進は、卜傳流の早速の働き、圍爐裡ゐろりに掛けてあつた、粥鍋かゆなべの蓋を取つて、續け樣に飛んで來る、平次の投錢を受けたのです。
つい先刻、亡者どもがあばき合っていた粥鍋かゆなべかまどには、まだ鬼火のようなトロトロ火が残っていた。智深はそのまきの火を持って、庫裡くりに火を放った。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お婆さんは、粥鍋かゆなべの方へ行こうとする三毛の足を引っ張りながら、ぶつぶつとこぼした。
蜜柑 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
岡浪之進は、卜伝流のさっそくの働き、囲炉裡いろりに掛けてあった、粥鍋かゆなべの蓋を取って、続け様に飛んで来る、平次の投げ銭を受けたのです。
また、源五兵衛は、携えて来た食物を、裏の流れで洗ったり、へ、粥鍋かゆなべを掛けたりしている。
ただ学寮附近に、山小屋にひとしい幾棟かが建っていて、香煙のにおいもするので、天野源右衛門をして内をうかがわせてみたが、四、五の山僧が炉の粥鍋かゆなべをかこんでいるだけで
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)