篠笛しのぶえ)” の例文
頼まれれば篠笛しのぶえを吹いたりするような心掛ですから、どんなに間違ったところで伯父おじの小田切三也が、娘の婿にするはずもありません。
百唇の譜 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
隼人は小池帯刀に宛てて手紙を託したが、荷物の中には頼んでやった楽器、琴、篠笛しのぶえ、三味線、太鼓などがはいっていた。
ちくしょう谷 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「やよ、篠笛しのぶえ。そちらの酌が先とはどうしたわけ。さきの後朝きぬぎぬを忘れてか」
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「船河原町の喜三郎ですよ。そう言ったところで親分は知らないでしょうが、こいつは横笛の名人で、篠笛しのぶえを吹かせては、並ぶ者はないという」
床几しやうぎに腰を掛け、紫のつゐの小袖に、赤い帶を締め、お松は三味線を鳴らし、お村は篠笛しのぶえを吹いて居ります。
床几しょうぎに腰を掛け、紫の対の小袖に、赤い帯を締め、お松は三味線を鳴らし、お村は篠笛しのぶえを吹いております。